平成17年3月、絵図等により現地比定される場所及び発掘で確認された9ヶ所が「骨寺村荘園遺跡」として国史跡に指定されました。これらは若神子社を除いて、いずれも丘陵部ないしはその山裾に立地するもので、中尊寺との経済的・精神的結びつきの深い遺跡です。
平成18年7月には、絵図に描かれた水田と屋敷を中心とする領域(史跡指定地も含む)が国の重要文化的景観に選定されました。(平成27年1月追加選定)文化的景観とは「地域における人々の生活又は生業及び当該地域の風土により形成された景観地で我が国民の生活又は生業の理解のため欠くことのできないもの」(文化財保護法) であり、その中でも特に重要なものが「重要文化的景観」に選定されています。
本寺地区の文化的景観の最も重要な要素は、現地の微地形を反映した曲線状の農道・用水路・畦畔群です。これらは中世以来の「田屋敷型散居集落」の景観の特質を今に残すものとして高く評価されています。「田屋敷」(田在家とも言う)とは、独自の水源を持つ一団の水田群と屋敷地からなる土地利用上の単位で、中世における百姓支配の方式(賦課単位)でありました。詳細絵図に見られる田と屋敷のセットが、これに相当すると言われています。
参考文献